Kudryavka Niimiが適当に喋る感じのあれ。

ネットワークエンジニア見習いの日常系ブログです。鉄道や野球や漫画アニメとか、趣味関係の話が多めになる予定。

久々に、盛大に。

まさか、あんなことになるなんて…
7分間の乗車の末に待ち受けていた運命とは!?
衝撃のラストは目が離せない!
 
 
 
 昨日、俺は我が校の学園祭の為、普段とは違うキャンパスへと向かった。
 7時過ぎに起きると、朝食もそこそこに家を出る。乗り継ぐこと3路線、350円。京王線の安さには感謝したいが、やはり学生にとっては結構痛い。なんでいつものキャンパスでやんないんだよ!と心の中で愚痴をこぼしながら、目的の駅に到着した。午前9時。まだ眠い。
 駅に到着するとすぐ、コンビニで昼飯を調達。ただでさえ金欠だというのに、学園祭の特別料金で昼飯を食べるほどの金がある筈もないからだ。
 コンビニを出ると、誰とも知らない人々が行く道を歩き出す。恐らく、このうちの大半は同校生だろう。人の流れはやはり、今まさに俺が向かっているキャンパス内へと消えていく。
 第1校舎2階3号室である123教室の我がサークルのブースへ向かうと、そこではカタカタとキーボードを打つ音のほかに音はなく、各々何やら作業をしていた。
 俺は何も出品していないので、特にすることはない。軽く挨拶を済ませると、ビラ配りという苦行が始まるまでの30分間、どこかに隠れることにした。しかし、普段の人付き合いの悪さが祟り行く場所もない。トイレにだけ行って、ブースに戻る。鞄を開けたところで、漫画を持ってきていたことを思い出した。GJ、出かける間際の俺!
 10時、学園祭スタート。といっても、放送で案内があるわけでもなし、俺の苦行はぬるっと始まったのだった。
 
 ビラ配りを始めておよそ4分。落研の先輩と出会う。先輩と言っても、俺は落研に入っているわけでもないし、昨日―今日から数えれば一昨日だが―俺がビラ配りをしているところに勧誘に来て顔見知りになった程度で、関係性は非常に薄い。4年生だということをこの時初めて知ったくらいだ。
 語り口調は流石落研、と言わざるを得ない。サークルの先輩も加わり、「今から観に来ませんか?」の問いに「はい」と答えたのだった。
 俺たちが落研の公演会場、122教室に入ったとき、高座では“つる”の噺のクライマックスに差し掛かっていた。雌の首長鳥が無言で飛んでくると、座布団を整え直し、次の落語研究会会員がネタを始める。演目は“初音の鼓”だった。少々ぎこちなくはあったものの、お二方とも面白かった。
 長居もできないので、初音の鼓が終わった時点で会場を後にする。一枚も減っていないビラを、しかし、無闇やたらに配っても意味がないと言いつつ、受け取ってくれそうな、それでいて来てくれそうな人に差し出す。勿論、差し出すだけでは意味がないし、人を選んでいてはいけないとわかっているので、目の前を通る全員に声はかけるが、一瞥もくれず過ぎていく人ばかりだ。東京怖い。というか、23区内怖い。
 昼になったが、昼飯を食っている余裕もない。ビラ配り続行。午前中は悲惨だったようだが、午後からは徐々に客足を伸ばしていった。
 我がサークルでは、顔認識を利用し、目、鼻、口の位置関係などから、お客様の顔と福沢諭吉大先生のお顔がどれほど似ているかを判定していた。しかし、1回200円はやはり高すぎるのだろうか。黒字には程遠いらしい。残念。
 13時過ぎ、再び先ほどの落研の先輩に会った。本日2度目、通算3度目の出会いだ。
「今から襲名披露やるんだけど見ていかない?」
「いや、まだビラ配りがあるんで…」
「一寸だから」
 ビラ配りでメンタルぼろぼろだし、さっきのも面白かったから一寸くらい観てみようかな。
「まぁ、一寸なら。」
「襲名披露だからあんまり面白くないんだけどね」
「え~、面白くないなら行きませんよ」
「いやいやいや!」
 ガシッ!と袖を掴まれる。
「大丈夫、大丈夫」
 何が大丈夫なのか。半ば拉致されるように階段を上って122教室へ向かう。
「じゃあ、一寸だけ」
「まぁ、あんまり面白くないんだけどね」
「じゃあやっぱり帰ります」
「いやいやいや!」
 ガシッ。
 …なんだこのコント。結局襲名披露とネタを観て会場を後に。
 2階に来たついでに、客足がどんなものかを見に行くことに。隣のタロット占いは長い行列ができているというのに、“諭吉診断”には、診断中の二人連れしかいなかった。やはり、伸び悩んでいるようだ。
 すぐさま勧誘へ。玄関付近で、サークルの同級生に会ったが、朝はあまりにも客が入らず、先輩が自棄になっていたようだ。一瞬、今は別にそんな感じでもなかったからマシなのかと思ったが、客前でそんな顔を見せるわけもないから、結局どの程度なのかはあまり分からなかった。
 人目に付かないところで軽い昼食を済ませ、勧誘を続行。それから1時間半程はビラ配り。途中で本日3度目の遭遇をしたが、今回は拉致されなかった。代わりに、4時半からの公演の宣伝をされたが。
 16時近くになると廊下を歩く人も減り始めたので、少しだけ隣の124教室の鉄研の展示を見に行くことに。Nゲージジオラマ、鉄道写真の展示、部誌販売をしていた。鉄道好きにとって、中々に楽しい展示だったが、サボってばかりもいられないのですぐに出る。ビラ配り再開。
 再々度の連行を饅頭の如く恐れてビラ配りを続けたが、16時半を過ぎても4度目の再会を果たすことはなかった。
 その後は、周りに人がほとんどいないのをいいことにブース内でダベり始め、そのまま3日目終了の18時を迎えた。ぬるっと終わった。
 直後だった。
 
 グラグラッと地震が起きたのだ。普段のキャンパスよりも古い、言っちゃ悪いが汚い校舎内では、天井から吊るされた何かの配管が心許なく揺れた。
 最大震度4。大した地震ではなかったようで、ほっと一息。
 集合写真を撮って、解散。駅付近までは先輩たちと行動を同じくしたが、大人数で食事できるところもなかったため、1、2年で別れることに。そのまま帰るフラグも急浮上したが、少し駅前をふらつくことに。俺ともう一人の金欠も響き、結局は大手牛丼チェーンで夕食をとることに。野郎4人で牛丼(並)×2、牛丼(並)プラス卵セット(卵、味噌汁)×1。どんな集団だよ。女子か!
 もっとも、あとの二人はその後ラーメンを食べに行ったらしいのだが。
 食事を済ませ、金欠仲間と駅まで行くと、路線が違うため、そこで別れる。一人になったところで、iPodと文庫本を取り出す。15分ほど電車に揺られ、渋谷から京王井の頭線に乗り換え。およそ10分後、あんなことが起きるとも知らず、JRの改札を出る。
 ちょうど、急行が発車する直前だった。急いで乗り込む。満員の人を飲み込んだ狭軌の通勤電車は、運命のカウントダウンをするようにガタンゴトンと軽快なリズムを刻んだ。
 そして、事件の1分前。
「次は、明大前、明大前です。京王線はお乗り換えです」
 お乗り換えする俺は、扉の方に向き直る。そして。
 
 プシュー。
 扉が開く。乗換駅に相応しく、押すな押すなの状態。ようやくこの狭苦しい車内から抜け出せる。そう思った瞬間だった。
 ビッターン!!!
 次の瞬間、俺が目にしたのはプラットホームに敷かれた1枚のタイルだった。一瞬の出来事で、何が起こったのか理解できなかった。
 要するに、俺はコケたのだ。ドアの段差で躓いたのだ。
 あまりの恥ずかしさに、顔も上げず、足早にその場を去る。といっても、大抵の乗客は乗り換えるため、同じ方に向かうことになるのだが。
 それにしても、見事なまでの転びっぷりだったなぁ。背後に“ビッターン!”という文字が浮かんでいたのではないだろうか。次の電車に乗っているとき、そんなことを考えていた。ふと、笑いそうになったが、ここで笑ってはただのおかしな人だ。どんな形で話のネタにしようかなぁ、と考えつつ、駅で盛大にコケたドジからただの一人の乗客と化し、ガタンゴトンと電車に揺られた。
 
 
ということで、駅でド派手にコケたよ、っていう話でした。

追記
気象庁の発表によると、地震の発生時間は17時59分だったらしいです。
でも、もうその時間には帰り支度が済んでいたように思います。
きっと、もう人が来ないから早めに撤収し始めていたんですね。